消化器外科・外科

腹腔鏡下手術について

腹腔鏡下手術とは、消化器内科医によって胃カメラや大腸カメラを用いて、ポリープや腫瘍を切除する消化管内視鏡
治療と異なり、外科医によって行われる手術です。

従来は、お腹を大きく切り開くことで胃、大腸、胆嚢、膵臓や肝臓などの臓器を手術し切除していましたが、最近では
腹腔鏡下手術の適応も広がってきました。

腹腔鏡下手術では、お腹の小さな創から空気を入れてお腹を膨らませ、腹腔鏡というカメラを用いて、内部の状態を外のテレビモニタに映し出します。さらにいくつかの小さな創から長い手術器具を挿入して、外からの操作によりお腹の中の手術を行います。

腹腔鏡下手術は、1980年代後半から欧米を中心に広まり、日本では1990年より胆石症に対する胆嚢摘出術が導入されました。その後、腹腔鏡下胆嚢摘出術は日本中に広まり、今では腹部領域においては、消化器外科だけでなく、泌尿器科や婦人科でも様々な疾患に対して腹腔鏡下手術が行われるようになっています。

日本内視鏡外科学会の集計では、腹腔鏡下手術件数が2007年では約49,000件であったのが、2017年では約100,000件と倍増しており、現在ではさらに多くの腹腔鏡下手術が日本全国で行われているものと思われます。


腹腔鏡下手術には以下のような特長があります。

 ・ 痛みが少なく、手術後早くから歩け、早期社会復帰が可能である。
 ・ 創あとが小さく目立たない。
 ・ 手術中の出血量が少ない。

 ・ 肉眼よりも高精細な画像を見て手術するため、神経温存や適切なリンパ節郭清など、開腹以上の手術が可能で
   ある。  


ただし、以下のような短所もあります。

 ・ 外科医にとって手術に高度な技術が必要である。
 ・ 開腹手術に比較し、手術時間が長くなる(熟練してくるとあまり変わらなくなる)。


この20年間の腹腔鏡下手術の進歩により、より安全な手術が行われるようになっており、分野によっては従来の開腹手術は過去のものであるとさえも言えます。しかし、地域や病院間の格差もあり、施設によっては手術適応や手術時間などは大きく異なっているのも現状です。

当院においても、腹腔鏡下手術の導入当初より、徐々に適応は拡大し、現在は、2人の日本内視鏡外科学会技術認定医(腹腔鏡下手術の指導医)を中心に、多くの腹腔鏡下手術が行われております。今後もさらに腹腔鏡下手術の件数は増えていくものと思われます。

当院では外科スタッフが日々患者さんにとって長所の多い安全な手術を行えるに精進しつつ診療にあたっておりますが、医療の進歩や世のニーズに対応しつつ、さらなる手術技術や診療技術の向上を目指し、患者さんの立場に立った医療を実践していきたいと考えております。