整形外科
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リウマチ外来
リウマチ外来について
関節リウマチとは?
関節リウマチの原因は未だにわかりませんが、最近の研究により、関節リウマチの病態はかなり解明されてきており、これに伴い、治療法も着実に進歩してきています。
関節リウマチの診断について
あちこちの関節が痛む、手の指が変形してきたからといって、必ず関節リウマチというわけではありません。 自覚症状、関節の腫脹部位の診察や血液検査及びレントゲン検査などを行い、その結果をみて総合的に関節リウマチかどうかを診断します。
下記は、最新の関節リウマチの診断基準(アメリカ/ヨーロッパ リウマチ学会)です。
①1つ以上の関節滑膜炎がある
②関節滑膜炎について関節リウマチ以外の疾患を除外できる
③下表の合計点で6点以上となる。
A | 腫脹または圧痛のある関節数 大関節1ヶ所 大関節2~10ヶ所 小関節1~3ヶ所 小関節4~10ヶ所 11ヶ所以上(1ヶ所以上の小関節) | 0 1 2 3 5 |
B | 血清学的検査 RF,抗CCP抗体が共に陰性 RF,抗CCP抗体いずれかが弱陽性 RF,抗CCP抗体いずれかが強陽性 | 0 2 3 |
C | 急性期反応物質 CRP正常かつESR正常 CRP、ESRのいずれかが高値 | 0 1 |
D | 症状の持続期間 6週未満 6週以上 | 0 1 |
・大関節: 肩、肘、股、膝、足関節 小関節: 手、指節間関節 (遠位指節間関節は除く)
・RF,抗CCP抗体は、リウマチ診断に際して行う特殊血液検査です。
・CRP,ESR(赤沈)は、体内の炎症の有無を検知する血液検査です。
関節リウマチは早期に診断し、治療した方が、経過が良いことから、もし上記症状が少しでもあるようでしたら一度診察を受けて、検査することをお勧めします。
薬物療法について
関節リウマチと診断されたら、進行を抑えて重篤な機能障害に陥らないようにすることが治療の目標となります。炎症の程度に合わせて以下の薬を併用し治療を行います。
1.関節の痛みや炎症を抑える薬:非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDS)【内服薬】
2.免疫異常も改善する抗リウマチ薬(DMARDS)【内服薬】
3.副腎皮質ホルモン(ステロイド)【内服薬】
4.生物学的製剤【注射薬】
生物学的製剤は、最近もっとも注目されている薬で、炎症を強力に抑え骨関節破壊を防止する効果があり、従来の薬より効き目は非常に早く絶大です。当科でも投与する患者さんが徐々に増えてきています。ただ感染に対する抵抗力が落ちるなどの副作用があり、また薬が高価なことが欠点です。
手術療法について
いろいろな薬物療法を行っても炎症滑膜の増生や関節の破壊が進行し、機能障害が生じることがあります。機能障害が軽い場合は関節機能の保持、改善に関する装具療法および理学療法が適応となります。
しかし、関節の炎症が薬剤でコントロールできなかったり、高度な関節変形により機能障害が強くなると手術療法も考慮しなくてはなりません。 当院で機能の改善を計るために行っている手術は下記の通りです。
上肢 | 滑膜切除術 関節形成術(手首、手指) 人工関節(肩 肘 手指) 関節固定術(手首、手指) 腱形成術(腱移植術、腱縫合術) |
下肢 | 滑膜切除術 関節形成術(足部、足指) 人工関節(股 膝 足首、足指) 関節固定術(足首、後足部、足指) |
脊椎 | 脊椎固定術(脊椎インストゥルメンテーションを含む) 椎弓切除術 |
現在四肢関節の機能を回復するのは、やはり人工関節置換術が主流と言えます。人工関節の開発は日進月歩であり、耐久性に優れたものや、関節の動きがよいものなどが最近では用いられるようになりました。
また最近、股関節、膝関節では、従来より手術創が小さい低侵襲手術がクローズアップされており、当院でも積極的に行っています。手術創が小さいと早期のリハビリテーション開始が可能となり手術後の機能回復も早く入院期間も短縮されました。
受診について
ご自分の症状が関節リウマチではないかと心配されている方、関節リウマチと診断されたが今後の治療について迷われている方はまず午前中の一般外来にて当外来の予約をお取り下さい。
担当医師
荒武 正人
整形外科・部長
日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会専門医
日本整形外科学会リウマチ医
藤井 淳平
整形外科・副部長
日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会専門医
日本整形外科学会リウマチ医
関節リウマチおよびリウマチ性疾患の患者さんを対象として、薬物治療から、リハビリ、日常生活指導、補助装具処方、そして手術的治療まで、症状に応じた治療を行っています。