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外来受付時間

月~土 8:00~11:00

※診療科によって受付時間は異なります。詳しくはこちらからご確認ください。

休診日

日曜祝日、第3土曜日
年末年始(12月30日~1月3日)

面会時間

面会可能時間 13:00~17:30(最終受付は17:15まで) 
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代表電話

042-761-6020

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〒252-5188 神奈川県相模原市緑区橋本台4丁目3-1

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呼吸器外科

診療科の概要

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診療内容について

呼吸器外科ではがん診療連携拠点病院(※)として、肺がんを代表とする悪性肺疾患を中心に、胸腺腫やその他の縦隔腫瘍、胸壁腫瘍などの外科治療を専門にしております。また、急性期の地域中核病院として、気胸や血胸などの緊急処置を必要とする呼吸器疾患に対する胸腔ドレナージ術や外科治療などを積極的に行っております。その他、がん性胸膜炎に対する胸膜癒着術や気管切開術、気管・気管支異物除去など多岐にわたって診療を行っております。
手術日は毎週火曜と木曜で、呼吸器外科専門医師3名に加えて慶應義塾大学から非常勤医師を招聘して安全な手術を提供しております。また、当院の特徴として、手術部や麻酔科との協力体制により、初診から手術までの待期期間が短いことがあげられます。気胸などの救急疾患であれば数日以内、肺がんの場合にも診断されてから手術を受けていただくまでのご不安な期間を極力短くするために、初診から最短12週間程度で手術を受けられる体制が整っています。
手術は気胸や良性腫瘍では完全胸腔鏡手術を選択し、小さな傷口1つで行う単孔式手術も行っております。肺癌などの悪性腫瘍に対しては、進行度を考えたうえで、早期癌に対しては単孔式胸腔鏡手術も行っており、進行癌に対しては主に胸腔鏡併用手術を行っておりますが、傷口も4-7cm程度と小さく、可能な限り整容性(美容)や疼痛に配慮しております。

※地域がん診療連携拠点病院

厚生労働省の認定のもと、専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、がん患者・家族に対する相談支援及び情報提供等を行う施設です。認定には急性期から緩和医療までの診療体制の構築と実績が求められます。

対象疾患について (タブをクリックして下さい)

1. 肺癌

肺癌の治療は科学的根拠に基づいた診療ガイドラインがあり、基本的には当院も国立がんセンターなどと同様の標準的な治療を行っております。一方で、高齢者や糖尿病、心疾患などハイリスクな併存疾患を抱えられた患者さんも多くいらっしゃるので、個々の患者さんに何がベストな治療かを考え、体に負担の少ない胸腔鏡下手術や胸腔鏡補助下手術を選択するようにしております。肺癌の手術であっても術後3~5日間で退院が可能で、平均在院日数は全国トップクラスの7日間程度です。

肺癌について

肺癌は症状の出にくい疾患のため、早い時期に発見するのが難しい病気です。症状としては咳や痰がありますが、健康診断や病院でエックス線検査を受けて偶然に異常を指摘されて発見される場合が多くみられます。その他の症状としては血痰、胸の痛み、腕の痛み、顔の腫れなどの症状があります。肺癌はタバコと大きな関係がありますが、最近ではタバコを吸ったことがない方でも、がん遺伝子の異常がきっかけで、肺癌になりうることがわかっています。
肺癌は非小細胞(ひしょうさいぼう)肺癌および小細胞肺癌に大きく分けられます。2種類の肺癌は、異なる性格を持つため、異なる方法で治療されます。
非小細胞肺癌は小細胞肺癌より頻度が高く、小細胞肺癌よりはゆっくりと進行します。非小細胞肺癌には3種類の代表的な組織型があります。扁平上皮(へんぺいじょうひ)癌、腺(せん)癌、大細胞(だいさいぼう)癌です。腺癌が約60%を占め、タバコを吸わない方の多くはこのタイプです。
肺癌の疑いのある場合、診断を確定する方法は主に3つあります。通常は局所麻酔で体への負担の少ない下記①②から行いますが、病変の位置や大きさにより、①②では行っても診断確定ができないことが予想される場合もあり、状況次第でお勧めする方法が異なります。③は全身麻酔の手術であり、癌が確定した場合にはそのまま根治手術に移行することができます。

≪未確診肺結節に対する診断率の違い≫

1. 気管支鏡
  大きさ:2cm以下の病変 34%  2cm以上の病変 63%
  位置:中枢 76-10%  末梢 40-50%
2. CTガイド下針生検
  感度90%  特異度 97%
3. 胸腔鏡下切除生検
  感度 特異度 共にほぼ100%

肺癌はしばしば肺とは異なる臓器(脳・骨・肝臓・副腎など)に広がります(転移)。癌が転移しているかどうかを確認して、病期の決定は行われます。病気の進行度を知ることが治療計画に必要です。肺癌の進行度を調べるために、CT検査、MRI検査、腹部超音波検査(エコー)、ペット(PET)検査など(必要に応じて縦隔鏡など)が行われます。
肺癌の治療方針は、病期(びょうき)によって決められます。病期とは肺癌の進行度を示します。非小細胞肺癌の病期は1期から4期に分類しています。

● 頭部MRIまたはCT → 脳への転移の有無を調べます。
● PET/CT → 脳以外の全身に転移がないかを調べます。

0期 上皮内癌
1期
(1A期,1B期)
肺癌が肺内にあり、リンパ節転移がない。
癌の大きさ(浸潤領域、充実成分)が1~4cm
2期
(2A期,2B期)
癌の大きさが4cm以上か、小さくても肺内か肺門リンパ節に転移がある場合。
3期
(3A期,3B期,3C期)
2期より進展しているが遠隔転移がない。
癌の大きさが7 cm以上か、小さくても肺からさらに遠い縦隔リンパ節に転移がある場合。
4期
(4A期,4B期)
遠隔転移がある場合。遠隔転移が1つであれば4A期、1つでなくたくさんある場合は4B期になります。

《肺癌の治療(手術や代替治療)について》 

手術:手術は基本的には遠隔転移していない1期から3A期までの治療法として選択されます。手術ができる患者さんは、肺癌の患者さん全体の3-5割程度と言われています。手術前の画像診断でステージの予測をつけ、手術後の病理(顕微鏡検査)で最終的なステージが決定します。手術後に進行癌と確定診断された場合は、手術後の再発を予防するために、補助的に化学療法を行う場合もあります。手術だけでは根治が見込めないと判断される場合などには、手術の前に病巣を小さくするために、化学療法や放射線療法を行うこともあります。最近では3B期の患者さんも含めて、化学放射線療法後の手術の意義が報告されており、状況に応じて適応を決定しております。
さらに、最近では分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤の発展に伴って、診断当初は手術が不可能と判断された3B-4期の患者さんが、初回の薬物または放射線との組み合わせ治療(化学放射線療法)後に、腫瘍が退縮し、手術が可能になるケースが増えています。このような手術をコンバージョン手術と呼びます。また、肺の原発巣などに限局して局所再発をした場合に、原発巣を切除する手術をサルベージ手術と呼びます。これらは高度な技術が要求されますが、当院では積極的に行っており、全国でも良好な成績を収めております。さらに、以前は手術の意義が認められなかった4期の患者さんのうち、肺や脳などに少数の転移(オリゴ転移)しか見られない場合には、それぞれの病変に手術を含めた局所治療を行う意義が見出されております。
手術が有効なケースは増加しておりますので、進行癌と診断された場合にも諦めずに、まずは当科の医師にご相談ください。

放射線療法:放射線療法は手術を望まない人、重い冠動脈疾患など別の病気で手術が受けられない人、癌がリンパ節や心臓など他の臓器の近くに広がっていて手術が受けられない人に行われます。放射線療法はほとんどの患者に対し、癌を部分的に小さくしたり、増殖速度を遅くする効果があるだけで、長期間寛解状態を保てるのは10-15%にすぎません。放射線療法と化学療法の併用により、こうした患者の生存率は改善します。放射線療法は、喀血、骨の痛み、上大静脈症候群、脊髄(せきずい)圧迫などといった肺癌の合併症を抑える効果もあります。

化学療法:化学療法はときに放射線療法と併用され、小細胞肺癌では主な治療法として選択されます。その理由は、小細胞肺癌と診断されたときまでに、ほとんどの場合は体の離れた部位にまで転移が進んでいるためです。約25%の患者が、化学療法によって生存期間が大幅に延長したという報告もあります。非小細胞肺癌では放射線治療や手術の適応のない、主に遠隔転移のある方、あるいは手術後に再発をした方に行われます。手術の前に手術の準備として、あるいは手術後に再発の予防として短期間行う場合もあります。化学療法単独での効果は、非小細胞肺癌では非常に限られており、奏効率(効く可能性)は20-30%です。最近では分子標的治療薬(がんの変異遺伝子に合わせた治療)や免疫チェックポイント阻害剤を併用することで治療効果が高まることが分かっており、検査や手術で得られた癌の情報を元に、使用可能な薬剤を選択します。

手術内容について

肺癌の現在の標準的な手術は、癌が認められる葉を切除する肺葉切除です。また癌病巣の近くのリンパ節から気管・気管支周囲のリンパ節を介して遠くへ転移していくため、これらのリンパ節を切除すること(郭清といいます)が必要とされます。診断が手術の前に確定していない場合は、手術中に針生検を行ったり、小さく病巣を切除したりして、顕微鏡検査を素早く行い(迅速診断、と呼びます)、手術中に診断をつけます。手術中の病理診断の結果によって、診断に応じたベストの治療を行います。現在はカメラ(胸腔鏡)を用いた手術が広く行われています。胸腔鏡のみで手術を行ったり(完全鏡視下手術)、胸腔鏡を併用して小さな傷で手術を行ったり(胸腔鏡併用小開胸手術)しています。良性疾患や早期癌に対しては、傷口1つで行う胸腔鏡手術(単孔式胸腔鏡手術)も行っております。手術の方法は患者さんのご希望や病気の進行具合に応じて選択しています。切除する肺の量は肺癌の進行具合に応じて決定しており、最新の臨床試験の結果(Segmentectomy versus lobectomy in small-sized peripheral non-small-cell lung cancer (JCOG0802/WJOG4607L): a multicentre, open-label, phase 3, randomised, controlled, non-inferiority trial. The Lancet, Volume 399, Issue 10335, 23–29 April 2022, Pages 1607-1617) も加味し、再発のリスクが低い早期肺癌と思われるケースに対しては、肺の切除量を減らして必要最小限の肺のみ切除する区域切除も行っております。

2. 転移性肺腫瘍(他臓器癌の肺転移)

大腸癌や一部の婦人科癌など、転移巣の切除が直接生命予後の改善に貢献することが証明されている癌があります。肺原発の癌との区別が困難な場合に、診断目的に切除を行う場合もあります。

転移性肺腫瘍の手術では胸腔鏡を用いた肺部分切除が最も多く行われます。部分切除で取り切れない場合は、肺区域切除、肺葉切除が行われます。胸腔鏡を併用して行いますので、カメラを入れる傷として1 cm程度の傷と鉗子を入れる傷が2・3個追加されます。転移巣の大きさや転移巣の場所により、皮膚切開の大きさは異なりますが、病変の位置がわかりにくい場合や切除範囲が大きくなる場合には6~10 cm程皮膚切開をする場合もあります。手指で転移巣を確認し、切除断端からの距離が短くならないように切除します。多くの場合はステープラーという自動縫合器を用いて切除します。傷の大きさによる手術後の疼痛や術後の回復には差が無いと言われています。術後はカメラの創に胸腔ドレーンという管が入りますが、問題がなければ1-3日で抜去します。

呼吸器外科で扱う主な疾患と治療に要する入院期間

主な対象疾患・診療内容

肺がん、気胸、縦隔腫瘍、濃胸 など

私達になんでもご相談ください!

呼吸器病センターとして呼吸器外科と呼吸器内科と放射線科が密接に連携し、患者情報を共有したり治療方針を検討したり、最良の医療を提供できるように心がけております。特に肺がんはがん診療連携拠点病院として呼吸器内科だけでなく緩和ケア科や放射線科など他科との連携を強化して、早期がんから進行がんに至るまで滞りのない診療体制を目指しております。
入院患者さん一人ひとりを対象に看護師、薬剤師、栄養士、作業療法士や理学療法士、メディカルソーシャルワーカーなど多くのスタッフと毎週カンファレンスを行い、より実践的で質の高いチーム医療を目指しております。

集合写真

受診のご案内

紹介状をお持ちの患者様の診療を優先させていただきます。
紹介先医師から連絡いただければ、外来の事前予約が可能となり待ち時間短縮につながりますので、あらかじめかかりつけ医にご相談ください。
初診の患者さまについては、当日直接紹介状をご持参いただいても結構ですが、あらかじめお電話やWEB上から予約をしていただくことで、事前に情報を共有しておき、できるだけ少ない待ち時間で受診していただけるように努めています。

呼吸器外科手術件数

スタッフ紹介

  • 鈴木 繁紀 写真
    部長 すずき しげき

    鈴木 繁紀

    出身大学 福島県立医科大学
    資格

    医学博士
    日本外科学会専門医
    日本呼吸器外科学会専門医・指導医
    がん治療認定医
    胸腔鏡安全技術認定医
    呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
    緩和ケア研修修了

    専門分野

    肺癌、縦隔腫瘍、気胸
    その他呼吸器外科疾患全般

    あいさつ

    相模原協同病院 呼吸器外科は慶應義塾大学医学部 呼吸器外科の関連施設です。他診療科と連携の上、基礎疾患にも十分配慮し、高度進行肺がんの治療にも積極的に取り組んでいます。一方、早期肺がんに対しては胸腔鏡を用いた低侵襲手術を行い、その他転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍などの一般呼吸器外科疾患の治療にも力を入れています。気胸については24時間体制で対応し、ストロー程の細い管を用いた痛みの少ない治療も提供しています。
    県内でも有数の年間200件超の手術を行っており、治療の質を重視しつつも、必要入院期間は平均5~7日間と、患者さまの精神的・身体的負担を軽減するように努めています。手術前の検査も短期間で行い、不安な気持ちで長期間お待たせすることの無いように、初診から最短1~2週間で手術を受けることも可能です。
    患者さまとの信頼関係も重視しており、可能な限り、初診から手術、術後の通院まで一貫して同じ主治医が対応しています。当科の医師はがん専門施設で十分なトレーニングを積んでいますので、安心して治療をお任せください。
    最寄り駅である橋本駅は利便性が良く、八王子、多摩地域、町田からもアクセス良好です。スタッフ一同、患者さまに分かりやすい説明、親身な対応を心がけておりますので、お気軽にご受診、ご相談ください。

    鈴木繁紀

  • 坂巻 寛之 写真
    副部長 さかまき ひろゆき

    坂巻 寛之

    出身大学 日本大学
    資格

    日本外科学会専門医
    日本呼吸器外科学会専門医
    緩和ケア研修修了

    専門分野 肺癌、縦隔腫瘍、気胸
    その他呼吸器外科疾患全般

    ドクターインタビューはこちら

  • 石黒 勇輝 写真
    いしぐろ ゆうき

    石黒 勇輝

    出身大学 慶應義塾大学
    資格

    日本外科学会専門医
    緩和ケア研修修了

    専門分野 肺癌、縦隔腫瘍、気胸
    その他呼吸器外科疾患全般
  • 朝倉 啓介 写真
    非常勤医師 (慶應義塾大学呼吸器外科教授) あさくら けいすけ

    朝倉 啓介

    資格 日本外科学会外科専門医・指導医
    呼吸器外科専門医
    呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医
    がん治療認定医
    ロボット手術術者認定資格 (surgeon certificate)
    医学博士
  • 非常勤医師(慶應義塾大学呼吸器外科) やの かいと

    矢野 海斗

  • 非常勤医師(慶應義塾大学呼吸器外科) さくらだ あきひさ

    櫻田 明久

外来担当医表

受付時間

(月・水・金曜日)  午前 8:00~11:00   午後 13:00~15:00
(火・木曜日)     午前 8:00~11:00(※)
 ※手術日のため午前中のみ、担当医師は交代制とさせていただきます。 

  他院からの紹介状のある患者さんのみの受付とさせていただきますが、緊急受診の必要な場合など、
  他院から直接お電話で
ご紹介いただいた場合は対応させていただきます。

時間
午 前 鈴木 交代制 石黒 交代制 坂巻
午 後 鈴木 手術 石黒 手術 坂巻

鈴木

(予約のみ)

受診について

当院は、地域医療支援病院として、地域の医療機関と日ごろから連携体制を構築しています。診療において紹介患者さんを優先させていただいております。患者さんにおかれましては、この趣旨にご理解いただき、当院を受診される際には、かかりつけ医や他医療機関などからの紹介状をお持ちいただけるようお願い申し上げます。

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