検体検査では主に5つの検査を行っています。
外来採血は8:00より「11番 採血・採尿検査受付」で行っています。
診察前に検査のある方は採血室入り口にある「採血・採尿受付機」にて自動受付後、採血室へお入りください。
採血は腕の静脈で行いますので、当日は腕を出しやすい服装で来て下さい。
検査内容によっては前日、当日の食事の注意がある場合がありますので、医師の指示に従って下さい。
採血のあと、すぐに血液は止まりませんので5分間はしっかりと採血部位を押さえて下さい。また、重い荷物を持つと出血しやすいので気をつけましょう。入浴に際しての注意事項は特にありません。
出来れば少し排尿してから、途中の尿を紙コップに採って下さい。尿が出ないときや尿量が少なかったときには、受付に声をかけて下さい。担当医に確認します。
入院患者さんの翌日採血する採血管の作成・準備を行い、看護部支援をしています。
尿、便、穿刺液、髄液などの成分を調べます。
尿には腎臓で血液中から取り除かれた不要物、老廃物が排泄されるため、身体状況により成分が変化します。痛みを伴わず採取でき、そこから多くの情報が得られるため、スクリーニング検査や病態の経過観察に用いられます。
自動尿定性検査装置US3500
尿定性試験紙
尿沈渣像
血液検査、凝固線溶検査、血液沈降速度検査を行っています。血液は赤血球、白血球、血小板という血球成分と血漿成分から出来ています。
血球の検査は自動分析装置で行います。自動分析装置では判別しづらい血球の形は顕微鏡で観察して確認します。これら赤血球、白血球、血小板の数や形、赤血球に含まれるヘモグロビン量を知ることによって貧血、白血病、感染症の診断に必要な情報を得ることが出来ます。また、血液疾患や炎症性疾患の経過観察、治療の効果や判断などにも用いられます。
多項目自動血球分析装置XN-3100・sp-50
血液像の鏡顕の様子
末梢血液像
凝固線溶検査は、血液凝固因子と線維素溶解(線溶)反応によって出来た物質を自動分析装置で測定します。
血管が傷つくと血小板や凝固因子が働いて血栓ができ止血をします。血管が修復されると、止血栓は溶解され(線溶反応)血流は元に戻ります。この検査は、手術の出血の際きちんと止血ができるかの判断や先天性の凝固障害の診断、抗凝固作用のある薬(ワーファリン、ヘパリンなど)のモニタリング、また殆どの凝固因子は肝臓で作られるため肝機能のチェックなどに用いられています。
血沈検査は、血漿中にある炎症や蛋白異常を来たす疾患などで増加する蛋白により促進するため、炎症性疾患や蛋白異常をきたす疾患のスクリーニングや経過観察などに用いられています。
凝固線溶検査装置CN-6000
血液ガス分析装置ABL800
患者さんに対して、安全に輸血療法が行われるために輸血用血液製剤の適正保管・管理と輸血関連検査を行う部門です。
また血液製剤を適正に使用するために、輸血療法委員会を通じ監視・啓蒙活動も行っています。
血液製剤の適正保管・管理業務、輸血副作用の管理と把握、自己血輸血管理など血液製剤の適正な使用推進を行っています。 また、院内の輸血療法が適正に行われる為に血液製剤の使用データを輸血療法委員会にて報告・検討しています。
ABO血液型・Rh血液型を抗血清と血球を用いて検査します。
自動分析用血液型カセット
血液型試験管法
輸血をする際に、副作用を起こすような抗体が血液中に存在するかを検査します。
輸血が安全に副作用を起こすことなく行えるのかを検査します。
自動分析装置 VISION
輸血用血液製剤
体内(血液、尿、その他)から採取された成分を、分析装置8台(生化学分析2台、腫瘍マーカー分析2台、感染症分析、ヘモグロビンA1c分析、アンモニア分析、尿素呼気分析)を使用して測定しています。
また、分析器を用いずに用手法でも検査を行っており、こちらはコロナ抗原やインフルエンザ抗原検査をはじめ、14項目と多くの感染症の結果を5分~30分程度で結果を報告しています。
当院基準範囲について
令和3年1月1日より、血液検査の37項目において、JCCLS(日本臨床検査標準協議会)が設定した共用基準範囲を採用しています。
健常者の大規模調査より求められ、日本国内で共通に利用可能な基準範囲として設定されたものです。日本医師会をはじめとする関連団体の賛同を得てリリースされた基準範囲です。最近では、国立病院や大学病院をはじめ、多くの施設が採用しています。
今まで使用していた基準値は、臨床判断値である病態識別値(カットオフ値とも呼ばれ、病気の鑑別などに用いる値)、治療目標値、予防医学値など混在していました。そのため共用基準範囲を用いることにより、従来の値とかなり基準範囲が異なる項目が存在します。検査結果の解釈は、担当医師と良く相談してください。
当院は、地域医療支援病院として、地域の医療機関と日ごろから連携体制を構築しています。診療において紹介患者さんを優先させていただいております。患者さんにおかれましては、この趣旨にご理解いただき、当院を受診される際には、かかりつけ医や他医療機関などからの紹介状をお持ちいただけるようお願い申し上げます。
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